TOEICリスニングテストで高得点を目標にしている方は多いです。しかし、どのレベルからスタートするべきか、学習法に迷う方が多いです。この記事では、TOEICリスニングのスコア範囲と各スコアが示す英語能力について説明します。
(ブログ管理人)
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目標点数達成のための具体的な勉強法もがわかり、TOEICのリスニング学習の効率化が可能です。最後まで読めば、TOEICリスニングでの目標点数達成に向けた戦略を明確に立てられます。
TOEICリスニングテストのスコアの基礎知識
TOEICリスニングテストは、国際的なビジネスの場で必要とされる英語のリスニング能力を測る試験です。リスニングテストの点数は、個人の英語聞き取り能力を示す指標となります。特定の文化を知らないと理解できない表現を排除しているのが特徴です。
TOEICリスニングテストは、誰もが公平に受験できるグローバルスタンダードとして、世界160か国で実施されています。TOEICリスニングテストのスコアの基礎知識について、以下の2点を解説します。
- TOEICリスニングのスコア範囲
- TOEICリスニングの平均スコア
TOEICリスニングのスコア範囲
TOEICリスニングのスコア範囲は、5~495点です。テストでは合計100問の問題が出題され、正答するとスコアとして加算されるため、各問題の正解はスコアに直接影響します。TOEICのリスニングスコアは、リーディングセクションと合わせて、受験者の総合スコアを形成する重要な要素です。
スコア範囲は受験者の英語能力レベルに応じて異なり、初級から上級レベルまでの幅広い能力の測定が可能です。
TOEICリスニングの平均スコア
TOEICリスニングの平均スコアは、IIBC(一般財団法人国際ビジネスコミュニケーション協会)から公表されています。IIBCのTOEIC Program DATA & ANALYSIS 2024(外部サイト)では、リスニングの平均点は300~350点程度であることがわかります。
試験回ごとの最新の平均スコアとスコア分布が確認可能です。スコア詳細ではリスニング、リーディングそれぞれの平均スコアと、全体の平均スコアが算出されています。
≫IIBC 公開テスト 平均スコア・スコア分布一覧(外部サイト)
TOEICでは、平均スコアを超えることが目標の受験者も多いですが、目指すべきは個人の英語能力の向上です。平均スコアやスコア分布は、各試験回の受験集団によっても異なります。平均スコアはあくまで目安として、自分の目指すべき英語力を身に付けられるよう学習に取り組みましょう。
TOEICのリスニングで良い成績を収めるには、リスニング能力を高める勉強法を見つけて、継続的に取り組むことが大切です。
TOEICリスニングのスコア配分と計算方法
TOEICリスニングのスコア配分と計算方法は、試験成績を把握するのに不可欠です。TOEICリスニングのスコア配分と計算方法について、以下の2点を解説します。
- TOEICスコアの計算方法
- 各パートのスコア配分
TOEICスコアの計算方法
TOEICスコアは、リスニングとリーディングのセクションごとに正解数をスコアに換算し、スコアを合算して計算します。TOEICスコアでは、1問につき5点ずつ加点されるような単純計算の採点方式は採用していません。それぞれのセクションでは、正解数を0~495点の範囲でスコアに換算します。
実際の配点は非公開です。テストの難易度が変動すると正解数とスコアの関係も変わるため、多く正解することが高得点につながるとは限りません。公正な評価のため統計的処理が施され、各試験回の公平性が保たれています。最終的な合計スコアは、リスニングスコアとリーディングスコアを足し合わせた5点単位での表示です。
スコアの範囲は10~990点で、受験者はスコアにもとづいて、英語のリスニングとリーディングの能力が把握できます。
各パートのスコア配分
TOEICリスニングテストの効果的な準備は、各パートのスコア配分を知ることが重要です。具体的な配分は非公開ですが、目安となる配分を紹介します。目安の配分を理解することで、フォーカスして学習すべきセクションがわかります。効率的な時間配分の計画が可能です。
TOEICリスニングセクションの各パートのスコア配分の目安は、以下のとおりです。
パート | 出題内容 | スコア配分(問題数/点数) |
パート1 | 写真描写問題 | 6問/30点 |
パート2 | 応答問題 | 25問/125点 |
パート3 | 会話問題 | 39問/195点 |
パート4 | 説明文問題 | 30問/150点 |
»TOEICリスニングの効率的な時間配分をわかりやすく解説!
TOEICリスニングスコア別の英語能力
TOEICリスニングのスコアは、英語の聞き取り能力をはかるための重要な指標です。それぞれのスコアは、具体的な英語能力のレベルを表しています。IIBC(一般財団法人国際ビジネスコミュニケーション協会)の公式サイトでもレベル別評価の一覧表が閲覧可能です。
≫IIBC レベル別評価の一覧表(外部サイト)
≫IIBC TOEICスコア別の英語力(外部サイト)
TOEICリスニングスコア別の英語能力について、以下のスコア別に解説します。
- 60~110点:必要最低限の会話の理解
- 110~275点:基本的な会話の理解
- 275~400点:日常的な会話の理解
- 400~490点:応用的会話の理解
- 490点以上:高度な英語能力
60~110点:必要最低限の会話の理解
TOEICリスニングテストで60~110点の方は、生活するうえで必要最低限の英語力があると言えます。簡単な言い回しは理解することができますが、簡単なやりとりをするには他の人の助けを必要とするレベルです。
基礎的な英単語や文法知識が身についていない可能性が高いです。中学レベルの英単語や文法の復習から始め、基礎を固めましょう。単語と文法の知識がないまま学習を進めるのは非効率です。焦らず基礎知識を身に着けるところから始めましょう。
単語や文法例文の音源を使って、短い英語を確実に聞き取れるようなトレーニングを行いましょう。
110~275点:基本的な会話理解
TOEICリスニングテストで100~300点を取得している方は、基本的な英語の理解力があると言えます。簡単な単語や短いフレーズを聞き取る能力は身に付いていますが、速く話される英語や複雑な会話を理解するのは難しいレベルです。
日常的に使用するシンプルな英語表現は理解でき、基礎的なコミュニケーションは可能です。しかし、ネイティブスピーカーの速度や慣用表現には苦労します。パート1(写真描写問題)やパート2(応答問題)のような比較的簡単なセクションでは、一定の得点が期待できます。
長い会話や複数のスピーカーが登場するパート3(会話問題)やパート4(説明文問題)では、理解力を高める努力が必要です。会話の流れを追いつつ、主要な情報を捉える練習を行いましょう。100~300点のスコア範囲の受験者は、英語の基礎は固まっていますが、さらなるステップアップが必要です。
275~400点:日常的な会話の理解
TOEICリスニングテストで300~400点を獲得するレベルは、日常的な英会話の基本的な理解ができるレベルです。300~400点のスコア帯に到達している方は、短い応答や質問に対して適切に答えられます。日々の生活や旅行などで簡単な英会話が必要な状況で、基本的なコミュニケーションを取ることが可能です。
300~400点のスコア帯の方は、一般的な日常会話や簡単なビジネス会話も理解できます。お店での買い物、レストランでの注文、友人との簡単な雑談などで適切な反応を返すことが可能です。日常生活を送る上でのさまざまなシチュエーションで、必要な情報をキャッチできます。
特定の話題に関する短い会話やアナウンスも理解可能です。学校や職場での指示、公共の場での案内放送にも困ることは少なくなります。速い会話や複雑な語彙、文法構造を含む会話の理解は難しいです。基本的な語彙力や簡単な文法構造に対応するため、知識を深め、より自然な英会話への適応を目指すことが重要です。
400~490点:応用的会話の理解
TOEICリスニングで400~500点のスコアを獲得すると、応用的な会話の理解ができます。日常生活を超えたビジネスシーンでの会話や議論も理解可能です。複雑な文の構造や、抽象的なトピックに対する聞き取りができます。早いスピーチや慣用句、イディオムもある程度理解可能です。
単なる簡単な英語だけでなく、話の論理的な流れや主要なアイデアを捉える能力も身に付いています。
490点以上:高度な英語力
500点以上のTOEICリスニングスコアが示すのは、高度な英語力です。複雑なトピックや抽象的な会話の理解、ネイティブスピーカーと流ちょうにコミュニケーションを取る能力があることを意味します。専門的な議論やアカデミックな内容も理解し、積極的に参加できるレベルにあります。
多様なアクセントや速いスピーチへの理解力も備えており、ビジネスや国際的な環境でのコミュニケーションが可能です。500点を超えるスコアは、高い英語力が身に付いている証拠になります。
【コーチ直伝】TOEICリスニングスコアを上げるための勉強法
TOEICリスニングスコアを上げるためには、正しい勉強法を取り入れることが重要です。TOEICリスニングスコアを上げるための勉強法について、以下の5点を解説します。
- 単語と文法知識の習得
- リスニング問題文と設問文の精読と音読
- ディクテーションとシャドーイングの実施
- TOEICリスニング対策のコツ
- 実戦的な学習法を取り入れる
単語と文法知識の習得
リスニングが苦手な人は、単語と文法知識の習得から始めることを推奨します。英語が聞き取れない原因は以下の2つです。
- 音声を聞いても単語が頭に浮かばない
- 音声を聞いて単語は頭に浮かぶが意味がでてこない
音声を聞いても単語が頭に浮かばないのは、単純な知識不足です。語彙力を増やすことで英語が聞き取れるようになります。文法知識を身に着けることでスムーズな意味理解が可能となります。
初心者のうちはリスニング問題に取り掛からず、単語や文法問題のような短い英文の音声確認しながら、基礎知識を習得に努めましょう。
リスニング問題文と設問文の精読と音読
リスニング問題を解いた後の問題文と設問文の精読と音読を実施しましょう。問題を解いた後の復習はリスニング力を高める絶好の機会です。学習の流れは、精読してから音読を行います。
- 精読
- 一つひとつの英文の文構造や不明な単語・熟語を確認しながら読み進める勉強法
- 音読
- 音声を聞きながら一緒に読む「オーバーラッピング」や音声を聞いてから読む「リピーティング」を行う勉強法。英語を英語のまま理解する力が身に付く。初心者は同じ英文を最低10回は音読すること
精読で知識の抜け漏れを確認し、音読で英語を体にしみこませます。音読で音源のスピードが速い場合、0.6~0.8倍速に落として実施しましょう。英語音声を真似して、音声変化やイントネーションに注意して音読を行ってください。
精読と音読で英語を前から読む習慣を身に着けることで英語の順番で理解する力がつき、リスニングスコアが向上します。
ディクテーションとシャドーイングの実施
精読と音読を行った英文を用いてディクテーションとシャドーイングを行いましょう。ディクテーションとシャドーイングがもたらす学習効果は以下のとおりです。
- ディクテーション
- 一文ずつ音源を聞いて英文を書きとる勉強法。自分の聞き取れない英語を認識するために有効。同じ英文を5回聞いてわからなければ聞き取れない英語と判断し、英文を確認すること
- シャドーイング
- 英語音声を聞きながら、それと同じ音を少し遅れて発音するトレーニング。初心者は同じ英文を最低10はシャドーイングすること
学習の流れは、ディクテーションしてからシャドーイングを行います。シャドーイングはリスニング力を鍛えるためには最も効率が高い学習法です。シャドーイングは、自分の声を録音して音源と比較しながら実施するとより効果的です。
何回も同じ英文をリピートするシャドーイングは、一文ずつ何回も再生できる機能や録音機能を持っている教材を選ぶことが学習の生産性を高めるために重要です。
TOEICリスニング対策のコツは「継続」と「先読み」
TOEICリスニング対策のコツは、効果的な勉強方法を取り入れることです。毎日のリスニング練習の継続で聞き取り能力が高まります。TOEICリスニング対策に効果的な勉強方法は、以下のとおりです。
- 普段から英語の音に慣れておく
- 音読とシャドーイングを毎日行う
- TOEICリスニング対策用の音源を繰り返し聞く
- TOEICリスニング問題の解き方のコツをつかむ
TOEICのPart3とPart4では、設問文と選択肢を先読みすることで正答率を高めることができます。次の問題が放送される間の約13秒で、設問文と選択肢を読み込むため、読解スピードを身に着ける必要があります。
Part3とPart4の設問文はパターン化されているので、公式問題集やTOEIC対策教材の設問文の表現を覚えておくと先読みスピードが上がります。音読とシャドーイングは設問文と選択肢まで含めて実践することを推奨します。
実際のテスト環境を再現した練習が、本番でのパフォーマンス向上につながります。TOEIC対策教材を使って時間内に先読みと解答マークを終了できるよう時間管理のトレーニングも効果的です。英語の発音やアクセントの違いに注意を払い、世界各国の英語に触れることでリスニング力を高めましょう。
»TOEICリスニングの効果的な学習方法とパート別攻略法を解説
英会話など実践的な学習を取り入れる
TOEICリスニングスコアを向上させるには、実践的な学習法が効果的です。日常生活で英語に触れる環境を増やし、リスニング力の向上を目指しましょう。リスニング力向上のために効果的な学習方法は、以下のとおりです。
- 英語のラジオやポッドキャストを聴く
- 洋画や英語のニュースを視聴する
- シャドーイングやディクテーションの練習を行う
- ネイティブスピーカーと会話する
- アプリやオンラインリソースを活用する
実践的な学習法を取り入れて基礎を固めることが、効果的なスコアアップにつながります。
TOEICリスニングで高得点を目指す方法
TOEICリスニングで高得点を目指すには、具体的な対策と練習が必要です。TOEICリスニングで高得点を目指す方法は、以下のとおりです。
- リスニングパート別の対策
- 頻出語彙・表現の習得
- タイムマネジメントの重要性
リスニングパート別の対策
TOEICリスニングセクションで高得点を目指すには、各パートの特徴を理解しパートごとの対策を立てる必要があります。リスニングセクションは4つのパートから構成され、それぞれ異なるスキルが必要です。リスニングパート別の対策は、以下のとおりです。
- Part1
- 写真にもとづいて質問に答えるため、写真の細部を注意深く観察する訓練を行う
- Part2
- 日常生活でよくあるさまざまな状況を想定し、瞬時に反応できるようトレーニングする
- Part3
- 会話の流れをつかむことがポイントで、質問の意味を正確に理解するため、何度もリスニング練習を行う
- Part4
- 比較的長いトークやアナウンスメントに集中し、主題や要点を把握する
各パートの特徴を踏まえ、リスニングセクション全体を通じて実践的なトレーニングを積むことが、高得点への近道です。各パートに合わせた練習方法を取り入れ、リスニング力を段階的に向上させましょう。
» TOEICリスニング問題への対策と高得点獲得のための勉強法!
頻出語彙・表現の習得
TOEICリスニングで高得点を取るためには、頻出語彙や表現の習得が重要です。試験でよく使われる単語やフレーズを把握しておくと、問題を解く速さが増し正答率も向上します。リスニングセクションで役立つのは、実際の試験に頻出する英単語や表現のリストを参考にすることです。
「TOEIC Listening vocabulary」や「Common phrases in TOEIC Listening」などのキーワードで検索しましょう。「Essential words for high TOEIC scores」などの活用も有効です。特にスコアに大きな影響を与える言葉を集中的に勉強するのも効果的です。
語彙や表現を何度も聞いて慣れ親しむことで、実際の試験で冷静に問題へ取り組めます。
タイムマネジメントの重要性
タイムマネジメントとは、限られた試験時間を最大限に活用して効率的に回答する手法です。タイムマネジメントは、TOEICリスニングで高得点を目指す上で重要になります。タイムマネジメントの効果は、以下のとおりです。
- 正しいタイムマネジメントは焦りを減らし、問題に集中しやすくなる
- 各リスニングセクションに適切な時間を割り当て、バランス良く解答できる
- 設問文の先読みで長い会話や複雑な問題に惑わされず、時間内の全問回答が目指せる
練習を重ねることで、各問題にかける平均的な時間を把握し、スピードと正確さのバランスを取れるようになります。タイムマネジメントの技術は、リスニングセクションごとの戦略立てにも役立ちます。
まとめ
TOEICリスニングのスコアを上げるには、スコア範囲と平均点を理解することが重要です。点数配分と計算方法を把握すれば、自分の英語能力を正確に評価し効果的な学習法を選び出せます。
TOEIC初心者のリスニング力は、解いた問題を正しい方法で復習することで向上します。スタサプコーチ直伝の復習の流れは「精読⇒音読⇒ディクテーション⇒シャドーイング」です。
点数向上のためには、リスニングのパートごとの対策が必要で、先読みトレーニングをあわせて行うことが大切です。頻出の語彙や表現を習得し、時間管理を上手く行うことが重要となります。本記事で紹介した方法を実践して、TOEICリスニングで高得点を目指しましょう。
» 初心者必見!TOEICのリスニング対策
» TOEICスピーキングテストの対策法