英語の資格試験のなかでも、TOEICと英検は特に人気が高いです。TOEICや英検のスコアをうまく活用するには、相互の換算方法を理解する必要があります。
この記事では、TOEICと英検のスコア換算方法に加え、試験内容と難易度の違いを比較します。おすすめの試験選び方も紹介するため、英語資格試験に挑戦する方にとって参考になるでしょう。記事を読むと、試験に関する疑問が解消し、効果的な試験対策が立てられます。
TOEICと英検のスコア換算
TOEICと英検のスコア換算表は、英語能力を理解する上で非常に役立つツールです。TOEICと英検のスコアは、留学や就職などさまざまなシーンで、英語能力の証明として活用できます。
TOEICと英検のスコア換算表
TOEICと英検のスコア換算表は、異なる2つの試験の得点を比較し、それぞれの試験でどのレベルに相当するかを示すものです。「CEFR」というガイドラインを利用することでスコア換算が可能です。
TOEIC 945~990点 | 英検1級 |
TOEIC 785~940点 | 英検準1級 |
TOEIC 550~780点 | 英検2級 |
TOEIC 225~545点 | 英検準2級 |
TOEIC 120~2220点 | 英検3級 |
引用:ETS®TOEIC®「TOEIC® Program各テストスコアとCEFRとの対照表
引用:公益財団法人 日本英語検定協会「英検CSEスコアとは」
換算表の読み方
換算表の読み方は簡単です。表の左側にはTOEICのスコアが範囲ごとに表示されており、対応する英検の級やレベルが右側に記されています。スコアが高いほど、上位の英検レベルと対応しています。換算表を見ることで、自分のTOEICスコアが英検でどの級に該当するかが一目で理解可能です。
換算表を使用する際は、最新の情報を確認してください。換算表はあくまで目安として活用するものです。正確な英語能力を把握するには、実際の試験を受ける必要があります。
換算表を使って自分の英語力を把握し、目標設定に役立てましょう。
» TOEICとは?
TOEICと英検の違い
TOEICと英検には、以下の4つの点に違いがあります。TOEICと英検の違いを理解することで、自分の目標や進路に合わせた試験選びが可能になります。
- 目的と特徴
- 出題範囲
- リーディング・リスニング
- スピーキング・ライティング
目的と特徴
TOEICと英検は、異なる目的と特徴を持った英語能力試験です。TOEICは国際ビジネスコミュニケーションの能力を測るもので、リーディングとリスニングのスキルを特に重視しています。ビジネス英語や日常英語に焦点を当てた問題が多く出題されるのが特徴です。
一方、英検は日本国内での英語運用能力を測る試験です。リーディングやリスニングの他に、スピーキングとライティングも評価されます。学校教育に沿った英語や実用英語を、広範囲にわたってカバーしていると言えるでしょう。
特にスピーキング能力の測定は、英検の大きな特徴の一つです。TOEICでは、スピーキングテストが別途に存在します。TOEICは主に大人やビジネスパーソンが受けることが多く、対して英検は学生から大人まで幅広い層が受験します。
出題範囲
TOEICと英検では、出題範囲も異なります。TOEICの出題範囲は、ビジネスシーンでの会話や文書が中心です。
一方、英検は学術的な内容から日常会話に至るまで、幅広いシチュエーションをカバーしています。
リーディング・リスニング
TOEICと英検では、リーディングとリスニングに関する出題形式や、評価の仕方が異なります。TOEICのリーディングセクションの問題形式は、空所補充と長文読解です。100〜495点の範囲でスコアリングされます。
一方、英検のリーディングでは、文章理解に重点を置いているのが特徴です。長文読解の問題が多く、幅広いトピックに対する理解が求められます。語彙や文法問題への対策も必要です。
リスニングにおいては、TOEICはアメリカ英語とイギリス英語が使用され、さまざまな形式の会話やトークを理解する能力を試します。スコアリングの範囲は100〜495点です。
英検では、日常会話からビジネスシーンまで多岐にわたるシチュエーションが出題されます。 問題ごとの発話時間も、短いものから長いものまでさまざまです。
リーディングとリスニングは英語学習における基本スキルです。試験の特徴を活かした学習を通じて、効果的に能力を伸ばしましょう。
» 初心者必見!TOEICのリスニング対策
スピーキング・ライティング
スピーキングとライティングは英語のコミュニケーション能力を示す重要な要素です。TOEICのスピーキングセクションは、ビジネスシーンでの英語使用能力を評価するのが目的です。会話やプレゼンテーションのシミュレーションを通じて、発話の適切さや流暢さが審査されます。
英検では日常会話から意見表明まで、多岐にわたる英語表現力が必要です。2次試験で実施される面接試験が、スピーキング能力の評価にあたります。
ライティングについても、TOEICと英検で違いがあります。TOEICのライティングで問われるのは、メール作成や文書作成スキルです。英検では、トピックに基づいた英作文能力が重視されます。
TOEICはリーディングとリスニングに特化した試験です。スピーキングとライティングは、TOEICの別試験を受験することで評価されます。
一方で英検では、リーディング、リスニングに加えてスピーキングとライティングが必須であり、特に面接が重要な要素です。英検においては、将来的に公式のスピーキングやライティング試験が導入される可能性もあるため、動向を注視しておきましょう。
TOEICと英検の難易度
ここでは、TOEICと英検の難易度について解説します。
TOEIC
TOEICはビジネスシーンでの英語運用能力を測るテストです。難易度は受験者の英語使用頻度によって変わります。高得点を取るには、高度な英語力が必要です。
スコアは990点満点で、リーディングとリスニングで判定されます。高得点を取ると、ビジネスシーンでのコミュニケーション能力があることを証明できます。
TOEICのスコアは、国際的な基準で企業が求めるレベルを示すのに有用です。就職や転職で英語力をアピールする場合はTOEICで高得点を目指すことをオススメします。
» TOEICの点数別難易度
英検
英検には級が設定されており、各級には明確な難易度があります。5級から1級までの級別評価に加え、準1級と準2級が存在します。上級レベルでは高度な英語力が必要です。3級以上の受験者には、実際の対話能力を見る面接試験もあり、英語使用の実践的な能力を示せます。
英検は学校教育に沿った内容が多く、若年層に広く受けられているのが特徴です。
TOEICと英検の比較
TOEICと英検はそれぞれ異なる観点から英語力を測るため、直接的な難易度比較は困難です。ただし、おおよそのレベル感の目安としての比較は可能です。
英検の上級資格は、特に高い英語力を要求されるため、難易度が高いと言えるでしょう。聞く・読む・書く・話すの4技能をバランス良く伸ばすための学習が必要です。一方で、TOEICはある程度のコンスタントな学習により、スコアアップが見込めます。 主に、聞く力と読む力の2技能に焦点を当てて評価されるからです。
TOEICではスコアが高いほど難しく、英検では級が上がるごとに難易度が上がります。TOEICの高得点はビジネスコミュニケーション能力を、英検の上級資格は高い英語運用能力を示しています。
国際的なビジネスシーンでの通用性はTOEICの方が高いです。企業の内部評価や、海外勤務の判断材料として使われています。一方、英検は大学入試や公務員試験での資格としての側面が強いです。国内での認知度が高い試験です。
英語を学習する目的や現在の英語力を考慮したうえで、どちらの試験が適しているかを判断してください。
TOEICと英検の選び方
TOEICと英検は、それぞれ異なる強みを持っています。ここではTOEICと英検の選び方について解説します。
目的に合わせて選択
英語を学習する目的によって、選ぶべき試験が異なります。ビジネス英語の能力を証明したい場合はTOEICがおすすめです。TOEICは国際的なビジネスシーンでのコミュニケーション能力を測定するための試験として、世界的に認知されているからです。
学術英語や実用英語の能力を測定したい場合には、英検が適しています。スピーキングやライティング試験が含まれているため、総合的な英語スキルを証明したい人にも役立つでしょう。教員資格の取得や高等教育での利用を考えている場合も、英検が適しています。
短期間でスコアアップを目指す人には、頻度の高いTOEIC受験が有効です。TOEICは何度でも受験でき、短いサイクルでスコア向上を目指せます。一方で、長期的な英語力の向上と資格の取得を目指す場合は、段階を踏んだ英検が最適です。
大学入試・就職活動での活用
大学入試や就職活動においても、TOEICや英検のスコアが活用できます。特に大学入試では、英語の成績が重視されるケースが多いです。
英検を持っていることで、私立大学における優遇措置を受けられます。TOEICのスコアは大学の語学クラス免除や、特定の英語授業への参加資格獲得に繋がるケースもあります。
就職活動では、TOEICスコアを持っていることで、企業からの評価に差がつくこともあるでしょう。一方で、英検の面接試験の経験は、就職活動での面接に役立つ側面があるのも事実です。
公務員試験をはじめ、特定の職種に応募する際には英検の資格が求められる場合が考えられます。英検を持っていることが、大きなアドバンテージになります。大学入試や就職活動における英語能力の証明手段として、TOEICや英検のスコアを活用することは非常に効果的です。進路に応じた資格取得を目指しましょう。
スコアで英語能力を証明
TOEICスコアは、多くの企業で英語能力の指標として認められています。将来的に海外での就職や留学を考えている場合には、国際的な認知度が高いTOEICのスコアが有利です。TOEICはリスニングとリーディングのスコアのみで、英語力を評価します。
一方、英検は各級が特定の能力レベルを示し、具体的な資格としての価値を持つのがメリットです。筆記試験に加えて面接試験もあり、聞く・読む・話す・書くの4つの技能を総合的に評価します。学校教育や公的な場での英語能力証明に適しています。
英語を話す能力を証明したい場合には、スピーキングテストがある英検を選ぶと良いでしょう。求職中の職種や必要とされるコミュニケーションスキルに応じて、自分に合った試験を選ぶことが推奨されます。
» TOEICスコアの目安
TOEICと英検の使い分け
TOEICは、国際的なビジネスシーンでのコミュニケーション能力を測るための試験です。一方、英検は日本国内での英語能力を証明し、総合的な英語力を認定する試験です。TOEICがリーディングとリスニングに重点を置いているのに対し、英検ではスピーキングとライティングのスキルも求められます。
英検は大学入試や公的資格としての使用が多いです。特定の級があることで、能力を証明しやすい利点もあります。TOEICは定期的な能力チェックとして利用されることが多く、即時性があります。
英語能力の証明を目指す際には、TOEICと英検の違いを理解し、自分の目的やニーズに合わせた試験を選択することが重要です。キャリアプランや目標に合わせて適切な試験を選ぶことが、英語能力証明の鍵となります。
まとめ
TOEICと英検のスコア換算は、異なる2つの試験の能力を比較し、互いを理解するために有用です。TOEICはビジネス英語、特にリーディングとリスニングを重視しています。
一方で英検にはスピーキングとライティングも含まれます。ビジネスシーンでの英語力を示したい場合はTOEIC、アカデミックな環境や総合的な英語力に証明したい場合には英検が最適です。
大学入試や就職活動においては、TOEICと英検のどちらのスコアも利用価値があります。目的に応じてテストを選び分けることが重要です。
» TOEICとは?