TOEICの時間配分に悩む受験者は多いです。この記事では、TOEICのリスニングとリーディングにおける効果的な時間配分について紹介します。
適切な時間管理がスコア向上の鍵を握っています。この記事を読むことで、TOEICで高得点を取るための時間管理術を身につけられるでしょう。
TOEICリスニングの時間配分
TOEICリスニングは45分間で、Part1~Part4は放送に沿って解答するため、1問ごとの解答時間は決まっています。リスニングセクションの中では、Part3(会話問題)やPart4(説明問題)で解答時間が足りなくケースがあります。
対策として、各パートのディレクションや次問題への待ち時間を使った「先読み」が効果的です。内容の先取りができるため、集中力を保ちながら全ての問題に対応可能です。高得点も目指せます。
リスニングの時間配分のポイントは、問題文が流れていない時間を使って先読みできるかです。先読みは「ディレクション(各Partの説明文)が流れている間」と「次の設問が流れるまでの待機時間」に行いましょう。
問題を聞き逃したり、解けない際は素早く次へ進んで、次の問題を解く準備(先読み)を始めてください。適切な時間管理について理解し、実践することでTOEICリスニングのスコアアップに繋がります。
» TOEICとは?
Part1:写真描写
TOEICリスニングのパート1は、写真描写に関する質問に答える形式です。Part1の説明放送(ディレクション)が流れている約30秒で全6問の写真を確認してください。パート1の攻略は、問題文が放送される前に写真の情報を素早く把握し、的確に応答する能力にかかっています。
重要なのは、先読みで写真の全体像や人物の行動を捉えることです。モノの数や位置関係を即座に確認する訓練が不可欠です。写真から読み取れる動作や状況を、瞬時に言葉に変換する練習を積みましょう。練習することで、質問へ迅速に答えられるようになります。
写真描写に関するスキルは、リスニング力の向上にも寄与し、TOEICの得点アップに直結します。
Part2:応答問題
TOEICのリスニングテストにおいて、応答問題は重要なパートを占めています。全部で30問あり、各問の解答時間は約30秒です。効率良く解答する能力が求められます。
応答問題では音声の最初の部分に注目して、重要なキーワードを聞き取りましょう。不要な選択肢を素早く判別し排除するテクニックを習得すると、より早く正確な判断ができます。わからない問題は適当にマークして、次の問題へ気持ちを切り替えることが重要です。
速やかに正しい応答を選ぶ練習を重ねることで、英語の自然なコミュニケーションに慣れ、スムーズに解答を選べます。
Part3:短い会話
TOEICリスニングのパート3で良い成績を得るためには、短い会話の理解力を鍛えることが重要です。パート3では30問の短い会話が出題されます。
各会話を聞いた後、関連する2~3つの質問に答えます。全体の時間は約17分です。会話の内容や細部に注目し、素早く対応する能力が求められます。
ディレクション中(約30秒)に1問目の設問と選択肢を先読みします。会話内容のヒントをインプットすることで理解が深まります。次の問題の放送まで約13秒の待機時間があるので、次の問題の先読みをしてください。先読み練習を積むことで、リアルタイムで情報を処理し、適切な回答を選択する能力が高められるでしょう。
Part4:短いスピーチ放送
TOEICリスニングセクションの最後のパートは、短いスピーチです。スピーチ内容について、4つの設問に回答します。
主題はビジネスや広告、一般的な話題など多岐にわたります。1問あたり約30秒放送され、全体の時間は約16分です。リスニング能力の中でも、特に次のような能力が求められます。
- 内容の要点の理解
- 詳細の理解
- 意図の理解
より効果的にPart4を攻略するためには、先読みが重要です。最初の1問目は、ディレクションの時間(約30秒)中に設問と選択肢の先読みをしてください。放送終了後、次の問題までの13秒間の待機時間を利用して、先読みを行ってください。
単語が聞き取れれば解ける簡単なレベルの問題から、意図の推測が必要な難しい問題まで出題されます。高得点を目指すには、話の流れを的確に追いながら、要点を捉えることが重要です。
TOEICリーディングの時間配分
TOEICリーディングセクションは、時間配分が特に重要です。各Partに割り当てる推奨時間は以下の通りです。
- パート5空所補充:12分【約25秒/問】
- パート6文節補充:8分【約30秒/問(1長文あたり2分)】
- パート7長文読解:55分【単文問題は30秒~1分、複数文書は問題3~5分】
時間はあくまで目安です。得意分野や問題の難易度によって、柔軟に時間を調整しましょう。分からない単語や文が出てきて一つの問題にこだわるよりは、一時的に飛ばして後で時間があれば戻る戦略が有効です。残り時間を常に意識し、全問題を解き終わることを目標にしてください。
時間管理はTOEIC得点向上に直結します。模試を利用した試験準備では、時間配分を意識しながら練習を積み重ねることが推奨されます。
Part5:短文穴埋め問題
Part5では、30問の空所補充問題が出題されます。1文または1文節に1つの空所があり、4つの選択肢から最も適切な語句を選ばなければなりません。問題の形式はさまざまで、単語の意味を問うものから文脈に合った語句を選ぶもの(文法問題)まで含まれます。語彙力と文法力の両方が試されるパートです。
Part5で重要なのは、読む速度と正確性です。解答にかけるべき平均時間は約25秒とされており、素早く文脈を理解し、効率的に答えを見つける能力が求められます。短時間での解答力を高めるためには、高速かつ正確な読解力の訓練が不可欠です。
Part5を学習するときは、丸暗記ではなく理屈から理解するよう心がけてください。最も適した語句を瞬時に選ぶスキルが向上し、短時間で答えられるようになるでしょう。
Part6:長文穴埋め問題
Part6は、Part5とPart7をミックスさせたような問題で、文法力と読解力が求められるパートです。各文に4つの空所が設けられ、選択肢から最も適切な語句や一文を選んで補充します。1問につき約30秒を割り振ってください。
Part6では、文の流れや文法を正しく理解し、適切な選択肢を選ぶことが大切です。文脈を素早く捉えることと、限られた時間の中で的確に答えを選ぶ能力が試されるため、効果的な練習を行いましょう。
全16問(4つの長文×4問ずつ)という問題数をこなすには、各問題にかけられる時間を意識する必要があります。模擬試験などを活用した適切なトレーニングを積むことで、文節補充問題のスキルを向上させられます。
Part7:長文読解
長文読解は、TOEICリーディングセクションの中でも特に時間配分が重要なパートであり、多くの受験者が苦手とする箇所です。複数の長文が提示され、それに対する問題に答える形式です。長文にはさまざまなトピックが含まれており、幅広い知識が求められます。各設問ごとの推奨時間は、以下の通りです。
- 一つの文書からなる長文読解問題:30秒~1分
- 複数の文書からなる長文読解問題:3~5分
長文を読む際には、細部に注意を払いながらも、文の主旨をしっかりと把握する読解力が必要です。設問は、文章の詳細に関するものから、推論や文脈から意味を推測するものまで多岐にわたります。文章の構造を理解し、重要なキーポイントを素早く見つけ出す読解技術が重要です。
長文読解では、全問題を解答するための戦略が求められます。タイムマネジメント能力は、練習を行うことで高められます。練習を通じて、読解スピードと正確性を高めましょう。
長文読解のスキルアップは、TOEICリーディングセクション全体のスコアアップに直結します。ぜひ積極的に取り組んでみてください。
TOEICで高得点を取るための時間管理のコツ
TOEICで高得点を取るためには、時間管理が非常に重要です。効果的な時間管理をすることで、試験中でも落ち着いて問題に取り組めます。時間管理のコツは、以下の5つです。
- 速読力を高める訓練をする
- 集中力を維持する
- 時間配分を意識した練習をする
- 無駄な時間を削減する
- タイムプレッシャーに強くなる
速読力を高める訓練をする
速読力を高める訓練は、TOEICのリーディングセクションで非常に有効です。速読力があると、与えられた時間内に多くの問題を解けるため、高得点を得る可能性が高まります。日々の学習によって、文章を素早く読み、要点を把握する能力が向上させましょう。
具体的には、精読と音読をすることで、文構造を正しく理解し英語を英語のまま理解できるようになります。読み返しの頻度が減るため、解答速度アップに直結します。
音読速度は文章の理解速度です。音読しながら頭のなかで文構造を整理できるように学習しましょう。速読機能があるアプリを利用するのが手軽に学習できてオススメです。多くのTOEIC問題に触れ、どのような内容が設問で問われるのか慣れておくことも重要です。TOEICでのスコアアップに直結します。
単語やフレーズの意味を推測するスキルを向上させるのも一つの方法です。頻出単語や熟語を覚えることで、認識速度を上げる方法もあります。
速読力を高めることは、読む速度だけでなく、情報処理能力の向上にも繋がります。日常生活や仕事においても役立つでしょう。
集中力を維持する
TOEICで高得点を目指すためには、集中力を維持することが非常に重要です。試験本番では、最後まで問題に取り組む力が求められるからです。テストで集中力を保つポイントは、以下の通りです。
- 自分が集中できる時間に受験する(試験は午前と午後のどちらか選んで受験申込可能)
- 試験前日の夜は暴飲暴食しない(翌日お腹が痛くなる場合あり)
- 試験前日はしっかり睡眠をとる
- 試験当日、テスト会場に向かう時間にリスニングで英語に耳を慣れさせる
- 試験直前のカフェインの取りすぎ注意(トイレが近くなる)
- 受験会場の座席が後ろの場合、試験管に前席への移動をお願いする
- 試験本番、リスニングの先読みペースは維持する
- 試験本番、リーディングは自分の得意なPartから解くのがおすすめ
テスト本番では、解けない問題に見切りをつけて解ける問題をどんどん解いていきましょう。解答ペースを乱さないことも集中力を維持するために重要です。
時間配分を意識した練習をする
効果的な練習には、時間配分を意識することが重要です。試験では限られた時間内に多くの問題を解かなければなりません。時間を適切に使うことが、高得点を獲得するためには不可欠です。練習の際にも実際の試験と同じ時間配分で取り組みましょう。
リーディングセクションは、自分で時間管理をする必要があります。公式問題集のような模試で、各セクションや問題ごとの時間を計画的に管理するトレーニングをすることがポイントです。模試を使った練習では時計やタイマーを見ながら、各問題にどれくらいの時間を使うべきかを意識しましょう。
難しい問題や長文問題には多少時間をかけられるよう、バランスを考えることも大切です。短い問題や得意なセクションは素早く解き、時間を貯めるのが望ましいです。残り時間を常に意識し、ペースを調整することで、全ての問題に取り組めます。模擬試験や過去問を利用して、時間配分の感覚を身につけるのも有効な方法です。
時間が足りなくなりそうな場合には、解答を急いで終わらせるのではなく、優先順位をつけて解くことが重要です。各問題にかけるべき時間の目安を知り、それに従って練習すると、試験本番でも適切な時間配分ができます。
リスニングやリーディングでは、問題タイプに応じた時間配分が求められます。例えば、リスニングでは、放送の流れていない待機時間で多くの情報を先読みすることが重要です。リーディングセクションでは、Part7(読解問題)に多くの時間を割くなど、柔軟な対応が必要です。時間管理のコツを掴むことで、試験にも余裕を持って取り組めます。
» TOEIC学習のコツ
無駄な時間を削減する
TOEICは時間との戦いです。解答における無駄な時間を削減することも、TOEICで高得点を取るために重要です。テスト本番では、以下の時間がもったいないです。
- わからない単語の推測
- 英文の読み返し
例えば、TOEICのリーディングセクションでは、頻出単語や表現を覚えておくことが読解速度向上に繋がります。自信のない問題は後回しにし、他の問題に集中すると時間の浪費を防げます。
一問一答形式の問題は迅速に答えて、時間を節約してください。長文問題ではパラグラフごとの要点を押さえることで、読み返しを減らせます。休憩時間は、次のセクションへのメンタル準備として活用するのがベストです。不要な動作を省いて、問題解答に集中しましょう。
時計を頻繁に確認し過ぎずに済むよう、タイミングを決めておくのも効果的です。
タイムプレッシャーに強くなる
試験で焦ってしまい、解けるはずの簡単な問題を見過ごすのはもったいないです。タイムプレッシャーに強くなるためには、自分ルール決めることが大切です。具体的には以下のようなものです。
- リスニングのPart3とPart4の設問は全部先読みしない
- リーディングのPart5は30秒考えて解けない問題は「A」をマークして次に進む
- Part7は自分の得意な文章(広告文やチャットなど)から解く
目標スコアを達成するためには何問不正解でもよいのか知っておくと気分が楽になります。スコア表で目安を確認しましょう。試験本番前には必ず模試を活用して、時間に追われながら解答する経験をしておくことが重要です。
TOEIC試験当日の時間配分のコツ
ここでは、TOEIC試験当日の時間配分のコツについて解説します。
試験開始前の準備
試験開始前の準備は、試験の成功に大きく関わります。まずは、試験会場の場所と時間を事前にしっかりと確認し、迷わずアクセスできるようにしておきましょう。
受験に必要な持ち物を前日までに準備し、当日は忘れ物がないように再確認してください。持ち物には、以下のものが含まれます。
- 受験票
- 写真付き身分証明書
- 鉛筆
- 消しゴム
時間管理も重要な要素です。腕時計を持参すると、試験中の時間を自己管理できます。試験のルールや形式についても、事前に確認・理解しておくことが望ましいです。
試験当日は余裕を持って会場に到着すると、心にゆとりがある状態で試験に臨めます。リラックス方法を見つけておくと、心穏やかに試験を受けられるでしょう。
体調管理も試験の成績に影響します。しっかりと睡眠を取り、万全の体調で挑むことが重要です。軽食や水分を持参して、試験中の体調の変化にも備えてください。
リスニングセクション
TOEICリスニングセクションで高得点を獲得するためには、各パートごとの適切な時間配分が重要です。Part1からPart4までの時間を理解し、問題タイプに応じた解答技術を身につける必要があります。解答技術を身に着けるためには、次のトレーニングが効果的です。
- Part1:写真中の人物の動作や物の状態に関する語句をストックする
- Part2:問題を聞いてすぐに答えを選ぶトレーニングをする
- Part3:先読みして複数の質問に対して迅速に解答する技術を磨く
- Part4:先読みして長い情報を効率的に処理できるように練習する
リスニングセクション全体では、集中力を維持することが成功に繋がります。特にPart3とPart4では先読みをするることで、効率的に解答ができるようになります。
リスニングセクションでは、先読みできる時間(ディレクションや次問題開始までの待ち時間)で多くの情報を得ましょう。放送内容や聞き取りポイントがわかるため、集中して聞き取りすることができるようになります。
リーディングセクション
TOEICリーディングセクションにおいても、全体の時間を配分し、パートごとに割り振けることが大切です。リーディングセクションの出題内容は以下の3つに分けられます。
- 空所補充問題:文脈理解と選択肢の迅速に選ぶ
- 文節補充:前後の関係を素早くつかみ適切な選択肢を選ぶ
- 長文読解問題:文章の構造を把握し、早期に主旨を理解する
速読力の向上や長時間の集中力が高得点には欠かせません。実際の時間配分を意識した模擬試験での練習も、実戦的な練習としてオススメです。
日頃からテクニックを磨いておき、試験当日に最大限発揮するための準備が必要です。試験中は、ペース配分を調整する柔軟性が求められます。柔軟に対処すると、全ての問題に適切な時間を割り当て、タイムプレッシャーを乗り越えることが可能です。
分からない問題に固執せずに進むこと、マークシートの記入ミスに注意を払うことも重要です。模試を通じて時間配分のコツを掴むことで、TOEIC試験当日は落ち着いて問題に取り組むことができます。
まとめ
TOEICの試験では、時間配分のスキルが非常に重要です。リスニングセクションでは、各パートごとの正確な時間把握と効率的な回答が求められます。正確な時間把握と効率的な回答によって、不要な時間の浪費を防げます。
一方で、リーディングセクションでは、速読力と正確な理解力がポイントです。速読力と理解力を高めるためには、時間管理を目的とした事前トレーニングが欠かせません。無駄な時間を削るためにスキルアップを図りましょう。
試験当日は、余裕をもった時間配分で臨むことが成功の鍵です。効果的な時間配分を身につけることで、TOEICの高得点が目指せます。
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