TOEICは、仕事や学校で英語力があることを証明したい人におすすめのテストです。この記事では、TOEICの重要性とメリットを紹介します。
TOEICのスコアは英語力の客観的な証明になり、さまざまな場面で役立ちます。記事を読めばTOEICについての理解が深まるでしょう。
TOEICとは?
ここでは、TOEICの概要や国際的な認知度、利用範囲について解説します。
TOEICの概要
TOEICは「Test of English for International Communication」の略称で、ビジネスシーンでの英語コミュニケーション能力の測定を目的としています。ETSというアメリカの非営利団体によって開発されました。
TOEICは主に英語が母国語でない人を対象としています。試験はリスニングとリーディングの2つのセクションからなり、受験者の英語スキルを点数化して評価します。
TOEICの国際的な認知度と利用範囲
TOEICは世界中で広く認知されている英語能力テストです。160以上の国と地域で利用されており、年間約700万人が受験しています。
TOEICスコアは、英語コミュニケーション能力を証明する重要な指標です。企業では採用や昇進の判断材料として、大学などでは入学資格や卒業要件として、TOEICスコアが求められることがあります。海外留学を目指す学生にとっては、学生ビザの取得や大学進学に必要な条件の一つになっています。
英語教育が重視される国々では、公的機関や教育機関での英語能力の評価ツールとして、TOEICを採用しているケースも多いです。TOEICは、世界的に認知され、多方面で利用されるテストです。英語能力を証明するための非常に有効な手段と言えるでしょう。
TOEICの種類と各テストの特徴
TOEICには、以下の3種類があります。自分のレベルや目的に応じて選択可能です。
- TOEIC Listening & Reading Test(L&R)
- TOEIC Speaking & Writing Tests(S&W)
- TOEIC Bridge Tests
TOEIC Listening & Reading Test(L&R)
TOEIC Listening & Reading Test(L&R)は、日常的なビジネスシーンを想定した問題を通して、総合的な英語力を測定する英語能力評価試験です。
試験内容は、リスニングセクション(約45分)とリーディングセクション(約75分)に分けられています。リスニングセクションは、次の内容で構成されています。
- 写真の説明
- 問答
- 2または3人の会話
- スピーチ
リーディングセクションで問われるのは、次の3つです。
- 文法問題
- 短文挿入問題
- 長文読解
各セクションのスコアはそれぞれ5〜495点で、合計スコアは10〜990点の範囲です。 TOEIC Listening & Reading Test(L&R)は世界各国で認識されており、公式テストセンターで定期的に開催されています。テスト結果は試験日から17日後にオンラインで確認できます。
TOEIC Speaking & Writing Tests(S&W)
TOEIC Speaking & Writing Tests(S&W)は、英語を話す・書く技能を測るテストです。試験内容は、スピーキングセクションとライティングセクションに分けられています。
スピーキングセクションでは11の異なる形式の質問に答えることで、話す能力が評価されます。ライティングセクションの課題は、メール作成や意見文作成などです。8つの問いに答えることで、書く能力を判断されます。
TOEIC Speaking & Writing Tests(S&W)はインターネットを通じて実施されます。スコアは0〜200点です。スピーキングとライティングそれぞれについて個別に報告されます。自分の能力が分かりやすいことが特徴です。
受験を希望する場合は、公式サイトから事前に申し込む必要があります。テスト結果は実施日から約2週間後に、オンラインで入手できます。
TOEIC Bridge Tests
TOEIC Bridge Testsは、英語初心者から中級者を対象とした試験です。基本的な聞く・読む技能を測ります。
試験の構成は、リスニング50問、リーディング50問の合計100問です。各セクションは15〜50分程度で完了します。スコアは60〜180点の範囲で、各セクションでの得点が総合スコアに反映されます。
試験時間は約1時間30分です。通常のTOEICテストよりも短時間で完了し、低コストで手軽に受験可能です。
学校や企業では、TOEIC Bridge Testsを入学前・採用前の英語力のスクリーニングとして利用するケースがあります。英語指導者が、教育プログラムの評価やカリキュラム作成の参考にすることもあります。
英語学習者は進捗を測るツールとして活用でき、自分の英語力の基礎レベルを知るために役立つ試験です。英語力の基礎を築きたい方におすすめです。
TOEICのスコアと評価基準
ここでは、TOEICのスコアと評価基準について解説します。
TOEICスコアの計算方法
TOEICのスコアは、リスニングとリーディングそれぞれ5点刻みで、範囲は0〜495点までです。 スコアが高いほど、英語の読解力と聞き取り能力が高いことを示します。
スコアの算出方法は、テストの種類によって異なります。Listening & Reading Test(L&R)は、正解数がスコアに直接影響するのが特徴です。リスニングとリーディングの正解数を換算表に沿って点数に変換し、合計点数が最終スコアとなります。
Speaking & Writing Tests(S&W)の場合、各タスクは専門の採点者が評価し、点数が付けられます。各タスクの点数の合計が総スコアです。Bridge Testsも。Listening & Reading Test(L&R)テストに似たスコア算出方法が採られていますが、難易度に違いがあります。
TOEICのスコアと評価基準において、リスニングとリーディングの合計スコアは重要な指標です。合計スコアは10点刻みで、10〜990点まで表されます。
» TOEICスコアの目安
各スコアレベルの英語力の目安
TOEICのスコアは、英語力のレベルを判断するときに役立ちます。スコアレベルごとの英語力の目安は、以下を参考にしてください。
- 10~215点:初心者で、非常に限られた英語能力を示す
- 220~465点:基本的な日常英語に限定された理解力を持つ
- 470~725点:日常的な職場シーンでの英語コミュニケーションが可能
- 730~855点:職場で英語を使ってある程度効果的にコミュニケーションが取れる
- 860~990点:国際的な職場で英語を使用し、幅広い状況に対応可能
スコアが10~215点の範囲であれば、英語初心者レベルです。初心者レベルでは、基本的な言葉やフレーズの理解に留まります。220~465点のスコアの人は、基本的な日常英語を理解できるものの、限られた範囲でのコミュニケーションとなりがちです。シンプルな日常会話は可能ですが、複雑な内容には対応しにくいです。
470~725点のスコアを持つ人は、職場で基本的な英語コミュニケーションが取れます。ビジネスシチュエーションでのやりとりがスムーズになるでしょう。730~855点の範囲の人は、職場でのより効果的なコミュニケーションが可能です。ビジネス会話や交渉、プレゼンテーションなどの複雑なタスクにも対応できます。
860~990点のスコアを持つ人は、国際的な職場での多様な状況への適応力と、幅広いコミュニケーション能力があります。高度なビジネス英語が求められる環境での活躍が期待されるレベルです。
企業や学校で求められるスコア
企業や学校で求められるTOEICスコアは、組織の必要とする英語力によって異なります。例えば、国際的な業務を多く手がける外資系企業では、TOEIC 850点以上の高いスコアが求められることが一般的です。一方、国内企業における中途採用では、600~700点以上を望ましいと見なす企業が多いです。
新卒採用の場合は、500~600点以上が一つの基準になっているケースもみられます。特定の職種で英語を活用する場合には、TOEIC730点以上のスコアが求められることもあるでしょう。英語を使う業務に就きたい人は、730点以上を目指すのがおすすめです。
学校では、留学プログラムの参加資格や卒業要件としてTOEICスコアを設けている場合があります。MBAや大学院進学の際にも、入学要件として特定のスコアが求められるケースもあるでしょう。英語教育を行う学校では、教員採用の際にTOEICスコアを採用基準の一つとしていることが多いです。
英語を使う職種の公務員試験でも、特定のTOEICスコアを要求されることがあります。企業や学校での進路を考える際には、自分の目指す分野や目的に応じたTOEICスコアを目標に設定することが大切です。
» 業界別!就職に必要なTOEICスコア
TOEICを受けるメリット
TOEICを受けるメリットは、以下の5つです。
- 英語力の客観的な証明
- 就職・転職市場での優位性
- 昇進・評価制度への利用
- 海外留学やビザ取得の条件
- 自己啓発
英語力の客観的な証明
英語力を客観的に証明する方法として、TOEICスコアは非常に有効です。TOEICスコアは、国際的に認められた英語能力の指標だからです。
企業や学校が英語力を測定する際の基準としても利用されており、異文化間コミュニケーションの能力を示す証明書になります。ビジネス英語のスキルを公式に証明することで、自分の信頼性の向上にも繋がります。
就職・転職市場での優位性
就職や転職市場では、TOEICスコアが重要なアドバンテージです。多くの企業が英語能力の指標としてTOEICスコアを認めているからです。
英語を使う職場での採用基準として用いられることが多く、英語でのコミュニケーション能力を示せます。履歴書や職務経歴書にスコアを記載すると、就職や転職の際のアピールポイントとしても機能します。
高いスコアを持っている人は、グローバル企業への就職や転職において有利です。英語を使う職種や国際的なプロジェクトにアサインされるチャンスが高まります。キャリアアップに繋がることもあるでしょう。
特に英語でのコミュニケーションが求められる業界では、競争力を高めることが可能です。国際機関や海外の企業でも、TOEICのスコアが入社条件の一つとして設定されていることが多いです。
TOEICスコアがあると、英語を必要とする求人へ応募でき、選択肢が広がります。自分に合ったより良い職場を見つけやすくなるでしょう。なかには、TOEIC保持者を対象とした内定率が高い業界も存在し、効果的な転職活動を期待できます。高いスコアを持つと、就職・転職市場での優位性を保てます。
昇進・評価制度への利用
昇進や評価制度においても、TOEICのスコアは重要です。企業が昇進時の英語能力の客観的評価基準として、TOEICスコアを使用することがあるからです。英語を使う業務に従事する社員を選定する際にも、TOEICスコアを参考にするケースが見られます。
社内外でのポジション評価や昇給、昇格の判断材料としてTOEICスコアを採用する企業も増加中です。TOEICスコアは、社員の国際的なコミュニケーション能力を向上させるためのモチベーションツールとしても機能します。ときには、社内の英語研修プログラムの成果測定ツールとして利用されることも。
TOEICスコアは、昇進・評価制度における重要な指標です。自己の英語力を伸ばし、キャリアアップを目指すためにもTOEICの受験を検討すると良いでしょう。
海外留学やビザ取得の条件
大学の留学プログラム選考や、一部の国のビザ申請条件にTOEICスコアが求められることがあります。海外で学ぶ機会を得るためには、一定の英語力が求められるケースが多いからです。
海外留学を目指す学生や、仕事で海外に行くことを目標とする社会人にとって、英語力を証明することは非常に重要です。例えば、英語圏の国では学生ビザ取得の際にTOEICスコアが必要な場合があります。ワーキングホリデーや特定技能ビザの条件として、英語力が求められることもあります。
企業が海外出張や駐在員の選考に、TOEICスコアを参考にするケースも多いです。TOEICのスコアを伸ばすと、国際的な活動を行うチャンスが広がります。
自己啓発
TOEICは、ビジネスマンの自己啓発としても活用できます。英語力向上は市場価値を高めるのに有効だからです。TOEICは英語力が数値化されるため、スコアが向上することで学習モチベーションを維持する助けになります。
実際にスコアを伸ばす過程で、英語コミュニケーションスキルが継続的に改善され、自信がついてきます。多様なビジネスシーンでの対応力強化が期待できるでしょう。ビジネスシーンのみならず、日常生活においても有益です。英語力を高めたいという目標を持つ人にとっては、TOEICは非常に役立つツールです。
» TOEIC受験のメリット
まとめ
TOEICは英語のリスニングとリーディングの能力を測る国際的なテストです。TOEIC Listening & Reading Test(L&R)、TOEIC Speaking & Writing Tests(S&W)、TOEIC Bridge Testsの3種類があります。
英語力を評価する基準としてスコアが用いられ、企業や学校で重要な役割を果たしています。TOEICのスコアを持っていると、就職、転職、昇進の際に有利になることが多いです。
海外留学やビザ取得の条件としても有効であり、自己啓発のツールとしても利用されています。TOEIC学習は英語力の向上に役立てることが可能です。