TOEICの高得点を目指すなら、リーディングセクションの時間管理は避けて通れません。75分間で100問を解くには、的確な判断力と集中力が必要です。しかし、TOEICのリーディングセクションで時間が足りず、焦ってしまう受験者は多いです。
この記事では、効率的な時間配分の方法と、リーディングセクション攻略のコツを紹介します。記事を読めば、次のテストで余裕を持って問題に取り組むことが可能です。時間に追われることなく、自信を持ってリーディングセクションに挑戦しましょう。
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TOEICのリーディング時間が足りない原因
TOEICリーディングセクションで時間切れになる原因は、以下の3つです。
- 英語力の不足による読解速度の遅さ
- TOEICの問題形式への不慣れ
- 効果的な時間配分戦略の欠如
英語力の不足による読解速度の遅さ
英語力の不足は、TOEICリーディングセクションで時間が足りなくなる最も一般的な原因です。語彙力や文法知識が十分でないと、文章の理解に時間がかかります。1つの段落を読むのに2分以上かかってしまうと、全体の時間配分が崩れてしまいます。
長文を読む際に、一つひとつの単語の意味を考えながら読むのも、全体の内容を把握するのに時間がかかる原因です。英語を英語のまま理解する力が不足していると、日本語に訳しながら読むことになり、時間を要します。英語力不足は日頃からの英語学習と、TOEICに特化した練習でカバーしましょう。
TOEICの問題形式への不慣れ
TOEICの問題形式に慣れていないことも、時間不足の大きな原因です。各パートの特徴や効率的な解き方を知らないと、必要以上に時間がかかります。パート7の長文読解では、本文をすべて読んでから設問に取り組むのではなく、設問を先に確認して本文を読む方が効率的です。
パート5の文法問題では、文全体を読まなくても解ける問題があります。問題形式の特徴を理解し、適切な解答方法を身に付けることで、大幅に時間を短縮できます。TOEICの公式問題集や模擬試験を繰り返し解くことで、問題形式に慣れましょう。
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効果的な時間配分戦略の欠如
効果的な時間配分戦略がないことも、リーディングセクションで時間が足りなくなる大きな要因です。75分間で100問を解くためには、各パートにどれくらいの時間をかけるべきか、事前に計画を立てておく必要があります。パート5に20分、パート6に10分、パート7に45分と、大まかな時間配分を決めておくことが重要です。
難しい問題に固執して時間を浪費してしまうことも、時間不足の原因です。すぐに解答できない問題は一旦飛ばし、後で時間に余裕があれば取り組む判断も求められます。時間配分の戦略を立てて実践することで、リーディングセクション全体をバランス良く解答できます。
TOEICリーディングの正しい時間配分
TOEICリーディングセクションで高得点を取るためには、適切な時間配分が不可欠です。一問一答パート(パート5)と、長文読解パート(パート7)のそれぞれの正しい時間配分を見てみましょう。
空欄問題の時間配分(パート5)
パート5は、短文の穴埋め問題30問で構成されています。1問当たり約20秒で解答することを目標にしましょう。文法や語彙の知識を素早く適用し、直感的に答えを選ぶ練習が効果的です。品詞の判断や前置詞の使い方など、頻出のパターンを覚えておくと解答スピードが上がります。
すべての問題に同じ時間をかける必要はありません。簡単な問題は5秒程度で解き、難しい問題にもっと時間をかけるなど、柔軟に対応することが大切です。時間を意識しながら練習を重ねることで、効率的に解答する力が身に付きます。パート5で時間を節約できれば、後半のパート7により多くの時間を割くことが可能です。
長文読解の時間配分(パート7)
パート7は、リーディングセクションの中で最も時間がかかるパートです。複数の長文と、関連する質問に答える必要があります。約55分を割り当てることが推奨されていますが、実際には個人の読解スピードによって異なります。効率的に解答するためには、スキミング(※1)とスキャニング(※2)の技術を使いこなすことが重要です。
設問を先に読んでから本文に取り組むことで、必要な情報を素早く見つけられます。長文の最初と最後の段落に重要な情報が含まれていることが多いので、注意深く読むのも効果的です。時間配分を意識しながら、各文書に均等に時間をかけることを心がけてください。
最後の数問は時間が足りない傾向があるので、多めに時間を確保しておきましょう。
※1 スキミングとは、文章の要点を読み取り、文章全体を把握するテクニックです。
※2 スキャニングとは、文章全体から特定の情報を素早く探し出すテクニックです。
TOEICのリーディング時間が足りないときの答え方のコツ
TOEICリーディングセクションで時間が足りなくなった場合でも、諦める必要はありません。時間不足の状況下で活用できる具体的な対処法を見てみましょう。
空欄問題の答え方(パート5)
空欄問題(パート5)で時間が足りない場合は、問題文全体を読まずに空欄の前後だけを確認しましょう。多くの場合、正解を推測できます。空欄の前に冠詞がある場合、名詞か形容詞が入ることが予測可能です。頻出の文法ルールや語句のパターンを覚えておくと、素早く正解を選べます。
時間がない場合は、すべての選択肢を詳細に検討する余裕はありません。直感的に明らかに違和感のある選択肢を消去し、残った選択肢から最も適切そうなものを選びます。問題の難易度に応じて時間配分を調整することも重要です。簡単な問題は素早く解答し、難しい問題にはある程度時間をかけるなど、柔軟に対応しましょう。
長文読解の答え方(パート7)
長文読解(パート7)で時間が足りない場合は、設問を先に読んでから本文に取り組むことで、必要な情報に焦点を当てられます。各段落の最初と最後の文に注目することでも、文章の全体的な流れを素早く把握できます。
時間がない場合は、本文全体を詳細に読む余裕はありません。必要な情報を素早く見つけ出すスキャニング技術を磨くことが重要です。複数の文書がある場合は、すべての文書に均等に時間をかけてはいけません。設問数の多い文書により多くの時間を割くなど、戦略的に時間配分を行いましょう。
時間がない場合はキーワードや数字、固有名詞などの目立つ情報に注目し、答えを推測することも有効です。最後に、すべての問題に答えられない場合は、マーク抜けの問題がないよう注意しましょう。推測でも答えを選ぶことで、部分点を得られる可能性があります。
答えに迷ったときの対処法
TOEICのリーディングセクションで答えに迷った場合、冷静に対処することが大切です。具体的な対処法は、以下のとおりです。
- 深呼吸して落ち着く
- 残り時間を確認する
- 直感を信じて選択する
- 解けない問題は飛ばす
- 全問に答えを記入する
以上の対処法を実践することで、時間内に全問解答する可能性が高まります。焦らず冷静に判断し、できるだけ多くの問題に取り組むことが重要です。迷ったときこそ、普段の学習で培った知識と直感を信じて解答しましょう。
TOEICリーディングの時間配分の秘訣
TOEICリーディングセクションで高得点を獲得するには、効果的な時間配分が欠かせません。各パートに適切な時間を割り当て、効率的に問題を解いていく必要があります。
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パート別のオススメ時間配分
TOEICリーディングの各パートに適切な時間を割り当てることで、効率的に問題を解けます。パート別のオススメ時間配分は、以下のとおりです。
- パート5:1問30秒
- パート6:1セット2分30秒
- パート7(シングル):2分以内
- パート7(ダブル):4分以内
- パート7:残り時間の1/3
文章量が多いパート7には、より多くの時間を割くことをおすすめします。全体の時間管理を意識しながら、各問題にかける平均時間を把握することが大切です。計画的にテストに臨むことで、リーディングセクションの得点アップにつながります。
時間配分を意識しながら問題を解くことで、全体のバランスを保てます。個人の得意不得意に応じて柔軟に調整することも重要です。普段から時間を計りながら練習問題を解くことで、本番でも落ち着いて対応できます。
時間が足りなくなるパートの対策
TOEICリーディングで時間が足りなくなる状況を避けるには、効果的な対策が必要です。各パートの進捗を頻繁に確認し、推奨時間内に終わるよう管理しましょう。読解の負担を減らすためにパートの順序を変更したり、スキャニングやスキミングの技術を磨いたりすることも効果的です。
問題を素早く解くためには、事前に問題のタイプや形式をよく理解しておくことが大切です。実際にタイマーを用いてタイムマネジメントの練習を行うことで、本番での対応力を養えます。
TOEICリーディングで時間が足りないときの緊急策
時間が足りなくなった場合、パニックにならずに対処することが大切です。TOEICリーディングで時間が足りないときの緊急策を押さえましょう。
最終5分は未回答の問題に迅速に目を通す
最後の5分間は、未回答の問題に迅速に目を通すことが肝心です。長文問題は読む時間が不足しているため、読み飛ばして空欄補充や短い問題に注力しましょう。キーワードや情報を素早くスキャニングし、推測にもとづいて解答を導くスキルが役立ちます。
すべての問題を完璧に解くことは難しいため、直感を頼りに迅速な選択をすることが重要です。得点の高い問題に注力し、優先度が低いものは時間が許せば後で戻る意識を持ちましょう。
解けない問題を見分けてスキップする
時間を無駄にしないためには、解けない問題を素早く見極めることが重要です。問題を読んで最初の数秒で答えが思いつかない場合、すぐにスキップしましょう。解けない問題にこだわりすぎず、確実に得点できる問題を優先することが大切です。マークシートに印をつけておけば、後で時間に余裕ができた際に取り組めます。
試験終了間際になったら、まだ答えていない問題に対して一貫した方法でマークをつけます。すべて同じ選択肢を選ぶなどの戦略が効果的です。普段の練習から問題の難易度を素早く判断する力を養っておくと、本番でも冷静に対応できます。
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リーディングスピードを上げるためのトレーニング方法
TOEICのリーディングセクションで高得点を目指すには、読解スピードの向上が欠かせません。日々のトレーニングを通じて、効率的に文章を読み進める技術を身に付けられます。以下に、リーディングスピードを上げるための効果的な方法をいくつか紹介します。
- スキャニングとスキミングの練習
- 制限時間を設けた速読練習
- 音声と一緒に読むシャドーイング
- 視野を広げる速読練習
スキャニングとスキミングの練習
スキャニングとスキミングは、情報を効率的に得るための重要な技術です。スキャニングは特定の情報やキーワードを素早く見つける方法で、スキミングは文章全体の概要を把握する技術です。
練習方法としては、文書の目次や見出し、要約段落を確認することから始めましょう。人物名や日付などのキーワードを素早く探す練習も効果的です。複数の短い記事を用いて、それぞれの主題や要点を迅速に抽出するトレーニングを行いましょう。情報の優先順位をつける能力も向上します。
制限時間を設けた速読練習
制限時間を設けた速読練習は、リーディングスピードを効果的に向上させる方法です。練習方法の主なポイントは、以下のとおりです。
- タイマーを使用して読書時間を管理
- 短時間で指定ページ数を読む目標設定
- 読んだ量を毎日記録し、進捗を確認
- 前日より多く読破
- キーワードや概要を素早く把握する力を養成
上記の練習方法を継続することで、重要な情報を迅速に捉える能力が自然と身に付きます。1分間で100語を読むことから始め、徐々にスピードを上げていけます。TOEICの長文問題に応用すれば、制限時間内に多くの問題に取り組むことが可能です。スピードを上げすぎて内容理解が疎かにならないようにしましょう。
音声と一緒に読むシャドーイング
シャドーイングは、音声を聞きながら同時にテキストを読む練習方法です。言葉の発音やイントネーションを真似ることで、リスニング能力とリーディング能力を同時に向上できます。音声の速度に合わせて読むことにより、自然な読みスピードが身に付きます。
練習する際は、自分のレベルに適した音声素材を選ぶことが大切です。音声に完全に合わせることを心がけると、より効果的です。シャドーイングにより、通常の読書では気づきにくい細かなニュアンスや発音の違いにも注目できます。
視野を広げる速読練習
視野を広げる速読練習は、一度に多くの情報を読み取る能力を向上させる効果的な方法です。主な練習ポイントは以下のとおりです。
- ページの左右の端を意識して見る
- 中心視だけでなく周辺視も活用する
- 一度に複数の単語をグループとして認識する
- 段落全体を素早く視認する練習する
- キーワードや重要情報を瞬時に把握する
上記の練習を続けることで、ページ全体の情報を迅速に把握し、重要なポイントを見逃さない力を養えます。実践的な例として、新聞記事を使った練習が挙げられます。記事の見出しと最初の一文だけを読んで内容を予測した後、全体をスキャニングして重要ポイントを抽出するイメージです。
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まとめ
TOEICリーディングの時間不足に悩む方にとって、適切な時間配分と効果的な解答テクニックは必須です。一問一答パートと長文読解パートでの時間配分に注意を払い、有効に時間を使うことで全体のパフォーマンスが向上します。
空欄問題ではキーワードと文の構造を素早く把握し、長文読解では各段落の要点をつかむことがポイントです。難しい問題に遭遇した際には、早めに次の問題に進むことも一つの戦略です。この記事の方法を実践することで、TOEICリーディングの時間不足を解消し、スコアの向上につながります。