英語力を証明するために、どのTOEICテストを受ければいいのか迷っていませんか?この記事では、TOEICの種類や選び方、目的に合わせたテストの選び方を解説します。
最後まで読めば、自分に合ったTOEICテストの選び方と勉強法がわかり、英語力を証明する一歩を踏み出せます。英語のスキルアップを目指している初心者から上級者まで、TOEIC受験に必要な情報を手に入れられるでしょう。
TOEICの種類
TOEICには、以下の3種類があります。自分の目的や、現在の英語力に合ったものを選ぶことが大切です。
- TOEIC Listening & Reading (L&R) Test
- TOEIC Speaking & Writing (S&W) Tests
- TOEIC Bridge Tests
TOEIC Listening & Reading (L&R) Test
TOEIC Listening & Reading (L&R) Testは、英語の聞く力と読む力を測る試験です。世界共通の基準で、英語力を測定できます。全編英語で実施され、リスニングセクションとリーディングセクションの2つに分かれています。各セクションは100問ずつです。セクションごとのスコアは5点から495点で、合計スコアは10〜990点の範囲で表示されます。
TOEIC Listening & Reading (L&R) Testの目的は、主にビジネスシーンや日常生活で使う英語の理解度を評価することです。就職や昇進時に重視されるケースが多く、企業によっては一定のスコアを要求される場合もあります。ビジネス英語力の指標とされることもあります。
受験者は、自分の英語力に合った学習方法で対策をしてください。初心者は基本的な語彙や文法から、上級者は実践的なリスニングやスピードリーディングを強化するのがおすすめです。TOEIC Listening & Reading (L&R) Testは、英語力の証明と自己能力の客観的把握に役立ちます。
TOEIC Speaking & Writing (S&W) Tests
TOEIC Speaking & Writing (S&W) Testsは、英語のスピーキングとライティング能力を測る試験です。ビジネスの場や、国際的な環境で必要とされるコミュニケーション能力を証明するために利用されます。
試験はインターネットベースで行われるのが特徴です。リアルタイムでの会話や書き言葉がテストされます。
スピーキングセクションには11の課題があり、話し言葉の能力を測ります。一方、ライティングセクションで出題されるのは、8つの課題です。自分の意見を書くことや、情報をまとめる能力が評価されます。企業によっては、昇進や海外出張の判断基準とされる場合があります。
各セクションでスコアが付けられるので、自分の能力をしっかり把握できます。スコアの範囲は、それぞれ0〜200点です。
TOEIC Speaking & Writing (S&W) TestsはTOEIC Listening & Reading (L&R) Testとは別に受験できます。TOEIC Speaking & Writing (S&W) Testsは、英語のスピーキングとライティング能力を高めたい人にとって、有益なテストです。
TOEIC Bridge Test
TOEIC Bridge Testは、英語の基本的なスキルを測定する試験です。職場での英語使用が少ない人や学生など、英語初級者に適しています。リスニングとリーディングの2つのセクションで構成され、各セクションには50問ずつ、合計100問が出題されます。
試験時間は約1時間半です。スコアは180〜300点の範囲で評価されます。教育機関や企業において、英語学習の進捗を測る目的で使用されることが多いです。
テストは紙ベースまたはコンピュータベースで提供され、世界中の多くの国で受験可能です。TOEIC Bridgeスコアは、TOEIC Listening & Reading (L&R) TestやTOEIC Speaking & Writing (S&W) Testsへのステップアップとしても活用できます。英語学習の第一歩として、挑戦する価値があると言えるでしょう。
TOEICの公開テストとIPテストの違い
TOEICには、以下の2つの形式があり、それぞれ目的と利用方法が異なります。
- 公開テスト
- 団体向けIPテスト
公開テスト
公開テストは一般に公開されているテストで、誰でも受験可能です。全国の指定された場所で、定期的に実施されています。日程は世界中で統一されています。予約制のため、事前の申し込みが必要です。
公開テストを受けると顔写真入りの正式なスコアが発行され、履歴書などに記載できます。英語力を公的に証明するために有効であり、特に大学生や社会人が多く受験しています。
海外の大学や職場での英語力証明としても利用可能です。スコアによっては、ビザ申請や奨学金の条件になる場合もあります。
IPテスト
IPテストは「Institutional Program Test」の略で、 教育機関や企業が自身の学生や社員のために実施します。公開テストと比べて、日程や場所を柔軟に選べるのが特徴です。
IPテストは、学校や企業が受験者をまとめて申し込む形式で実施され、写真付きの身分証明書を提示する必要がありません。
受験料も一般的に、公開テストより安価です。機関や企業によって、受験料が支払われることもあります。なかには、個別申し込みが不要なケースもみられます。IPテストは受験者にとって、大きなメリットがあると言えるでしょう。
テストは過去問が利用されますがスコアの信頼性は、公開テストと同等です。結果は団体に返送され、実施機関と受験者のみ知ることができます。
ただし、公式のスコア証明を得るためには、公開テストを受ける必要があります。IPテストの結果は、基本的には社内や学内でのみ利用可能です。公式な証明書としての外部への利用は認められていません。スコア証明書のデザインも、公開テストのものとは異なります。
TOEICテストの目的に合った選び方
TOEICテストを受験する際には、目的に合わせて選ぶことが重要です。自分がなぜTOEICテストを受けたいのか明確にし、目指すべきスコアを設定しましょう。
- 自己の英語力を知るため
- 就職・転職で有利になるため
目的に応じて、Listening & Reading (L&R) と Speaking & Writing (S&W) のどちらを受験するか選択してください。自分の目的に合ったTOEICテストを選ぶと、より効果的に英語力の向上を図れます。目的を明確にすることは、公開テストまたはIPテストを選択する際にも役立ちます。
自己の英語力を知るため
自己の英語力を知るためには、以下の2つからテストを選択しましょう。
- TOEIC Listening & Reading (L&R) Test
- TOEIC Speaking & Writing (S&W) Tests
TOEICを通じて、英語の言語能力を定量的に評価できます。テスト結果を活用すると、得意な部分と苦手な部分を特定でき、より効果的な学習計画を立てることも可能です。TOEICスコアは国際基準であるため、自己の英語力を客観的に評価できる点が魅力です。
TOEICのスコアを通して英語学習の進捗を具体的に把握し、モチベーションの維持にも役立てられます。目標設定のための基準点を提供する意味でも、重宝するでしょう。
» TOEIC受験のメリット
就職・転職で有利になるため
就職・転職で有利になるためには、TOEICスコアを高めることが重要です。多くの企業が英語のコミュニケーション能力を重視しています。
TOEICスコアは、履歴書や職務経歴書でのアピールにも有効です。英語を使った業務に対応できる能力や、国際ビジネスでのコミュニケーションスキルがあると評価されるためです。
昇進や海外赴任の条件に、TOEICスコアを設けている企業もあります。英語教育に力を入れる企業では、社員のTOEICスコア向上をサポートする制度を設けているケースもあります。
TOEICスコアは就職活動だけでなく、キャリアアップや転職時にも役立つでしょう。英語力を高めることは、長期的なキャリア構築において重要です。
企業が求めるTOEICスコア
一般的に新卒採用では、TOEICスコア600点以上を目安にされることが多いです。転職活動で有利になるスコアの目安は650点以上です。ただし、職種によって求められるスコアは異なります。
外資系企業の営業や秘書など外部との英語コミュニケーションが頻繁な職種では、800点以上を求められることがあります。より高度な聞き取り能力や、適切な表現力が必要だからです。
管理職や専門職では、さらに高い850点以上が望ましいです。グローバルに活躍する企業や外資系企業では、900点以上の高スコアを望まれることもあります。海外のビジネスパートナーとのスムーズなコミュニケーションと文化的感覚の理解、適応能力が期待されるためです。
中途採用では具体的な職務経験とともに、TOEICスコアによる英語能力の証明を求められることが一般的です。企業内キャリアアップや海外赴任を目指す社員にとっても、TOEICスコアは重要な選考基準となり得ます。
英語教育が充実している企業では、社員に対して定期的なスコア目標を設定し、教育プログラムを提供する場合もあります。
企業が要求するTOEICスコアは、事業内容や職種、国際的なビジネス展開の度合いによってさまざまです。目指すキャリアに合ったTOEICスコアを取得できるよう、目標達成に向けて取り組むことが大切です。
» TOEICスコアの目安
TOEICのスコアとビジネス英語力との関連
TOEICスコアは英語力の指標として利用されますが、ビジネス英語力と直結するわけではありません。TOEICスコアは一般的な英語運用能力を数値化したものであり、特定のスキルには限定されないからです。
ビジネスシーンでは、TOEICスコアでは測りきれない以下の能力が求められます。
- コミュニケーション能力
- プレゼンテーション
- 交渉スキル
- 業務実践能力
企業によっては、特定のTOEICスコアをビジネス英語力の最低限の証明として要求することがあります。 しかし、実際のビジネス英語力を高めるには、TOEICスコアの向上だけでなく、実務に即した英語を学ぶことが大切です。
特にTOEIC Speaking & Writing (S&W) Testは、ビジネス英語力との関連が強いです。ビジネス英語力の一部である発話・記述能力を測るため、実践的な英語運用能力の指標になります。
業種や職種で求められる英語力は異なります。一定のTOEICスコアを目安にしつつ、業務に必要なスキルを身につけましょう。
TOEIC受験に向けた準備
ここでは、TOEIC受験に向けた準備について解説します。自分のレベルに合ったTOEIC対策を行い、手順に従って申し込みをしてください。
試験前日にはしっかり休息を取り、最高の状態で試験に臨むことが大切です。忘れ物を防ぐために、試験当日に必要な物は余裕をもって用意しましょう。試験会場のルールも確認しておくと安心です。
レベル別のTOEIC対策
TOEIC対策では、自身の英語レベルや目標に応じて適切な学習方法を選ぶことが成功のカギです。各ステップでの効率的かつ効果的な学習が、目標スコア達成へと導きます。
初心者向けの学習方法
初心者がTOEIC学習を始める場合には、基礎英語力を確認しましょう。まずは基本的な語彙や文法の知識を身につけるために、簡単な英文を読んだり書いたりする練習から始めます。
続いて、TOEIC専用のテキストや問題集で勉強し、特有の出題形式や問題傾向を理解します。リスニング力強化のために、聞いた英語の音声をマネして音読(オーバーラッピング)することも重要です。
自学を効率的に進めるためには、オンライン講座や学習アプリの利用が推奨されます。場所を選ばずに学習を続けられ、英語学習の習慣が身につけられるからです。定期的な模擬試験で実力をチェックし、間違えた問題はしっかり復習してください。
毎日1分でも英語に触れることが重要です。TOEIC教材の利用がベストですが、英語のニュースサイトを読んだり、ポッドキャストを聞いたりすることで、日常生活に英語学習を取り入れることができます。
英文の書き写しや、英会話クラブへの参加もおすすめです。リーディングやライティング、スピーキング力の向上に繋がります。フィードバックを得る環境を作ると、間違いの指摘や勉強方法のアドバイスが得られ、英語力を効率的に伸ばせます。
上級者向けの学習方法
上級者が英語力をさらに伸ばすためには、日常的な英語学習を通じた実力の定着が不可欠です。広範な語彙力と精確な文法知識も必要とされます。
基本的な英語力を身につけた上級者は、実践的なビジネス英語を学ぶことが重要です。ビジネス英語の学習資料を用いてリアルな会話能力を磨くことや、高度な語彙の習得が効果的です。リアルな会話能力や高度な語彙力は、リーディングセクションでの理解力向上に繋がります。
速読技術やノートテイキングスキルの習得も、リーディングとリスニングの向上に効果的です。TOEICの長文や複雑な聞き取りに対応するためには、模試の反復やネイティブスピーカーとの会話練習も役立ちます。シャドーイングやディクテーションで、リスニング力を高めるのもおすすめです。
スピーキング練習には、英会話クラスやオンラインレッスンの受講が有効です。TOEIC高得点者のアドバイスや戦略を参考にすると、より効果的な学習が行えます。
読解力を強化するために、英語のニュース記事や専門論文を読むと良いでしょう。フルスコアに近い状態での模試練習を重ねることも大切です。
TOEICの特性を理解し、弱点を克服することがスコアアップに直結します。自分の苦手な分野を集中的に改善し、全体のスコア向上を目指してください。
TOEICの申し込み手順
TOEICの申し込みは、オンラインまたは郵送で簡単にできます。オンラインの場合は、以下の手順に従って進めましょう。
- TOEIC公式ウェブサイトにアクセスする
- アカウントを作成し、ログインする
- 受験を希望するTOEICのタイプを選択する
- 受験日程とテストセンターを選ぶ
- 受験料を支払い方法を選び、支払う
- 申し込み内容を確認し、完了させる
- 受験票が送られてくるのを確認する
試験の申し込み期限は試験日の約1か月前です。早めに申し込み、準備期間を確保することが推奨されます。
まとめ
TOEICの受験は、自分の英語力を把握し、就職や昇進などのキャリアアップに役立てるために重要です。以下の3種類から、自身の目的に合ったテストを選びましょう。
- Listening & Reading (L&R) Test
- Speaking & Writing (S&W) Tests
- TOEIC Bridge Test
公開テストとIPテストの違いを理解することも大切です。公開テストは誰でも受けることができ、スコアは就職や昇進に利用されます。一方、IPテストは団体での受験であり、公式スコアとしては認められないケースが多いです。
就職・転職を有利に進めるためには、企業が求めるスコアを事前に把握しておく必要があります。スコア目標が明確になると、効率的に学習が進められます。初心者は基礎を固め、上級者はさらなるスコアアップを目指して対策を進めていくことが望ましいです。
申し込み手順にも注意して、スムーズにテストを迎えられるように準備しましょう。
» TOEICとは?